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そんなある日。
ふと通りかかったアンティーク・ショップ『蒼空――SORA――』に立ち寄った。
ぐるりと店内を見て、レジの方へ。レジ横のガラスケースの中に、1万円以上の万年筆があった。
弁護士も検事も、事務系の作業が多いので、筆記具も意外と使う。
パソコンが普及したから、と、書き作業が無くなる事はないのだ。
――お揃いの万年筆が欲しいなぁ。
礼緒菜は弁護士。
俺は、検事。
一緒に仕事、なんて、夢だけれど。……あぁ、俺が将来、弁護士になればいいのか。
……何年先の話だよっ!
……脱線した。
持ちやすくて、シンプルなデザインの万年筆。
安っぽいプラスチックじゃなく、ステンレス製。
持ち運びしやすいカートリッジタイプ。
書きやすいのは、もちろんだけどね。
――見つけた。
お揃いの万年筆。青と、黒。
青い万年筆を綺麗に包んでもらう。
黒は、そのまま袋に入れてもらった。
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