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誕生日当日。
待ち合わせは、礼緒菜のマンション前に19時。
服装の心配は、していない。仕事柄カジュアルなのはお互い避ける所為(せい)だ。
礼緒菜の事務所が近い……と言っても、片道5キロ……なので、彼女を少し待たせた。
車の窓を開けて礼緒菜を見る。
『出掛ける』、と伝えてあるせいか、小さなバッグを持っている
「お待たせ」
「大丈夫だよ」
言いながら、ちょこちょこと近付いて来た礼緒菜に、車に乗るように言う。
「はーい、どこ行くの?」
予約したレストランの名前を言うと、意外や意外、行くのを否定された。
逆に提案されたのが、事務所近くのファミリー・レストラン。
――うそだろぉ!?
こちらが文句を言うと、礼緒菜がプックリと頬を膨らませるので、何も言わないけど。
――自分の誕生日って、分かってんのか?
忘れてる可能性が、あることは……
……………………
否定できねぇー!
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