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急に気がついたら嘘みたいに、
『好き』だった佑二が
可愛い弟佑二に見える。
もし
付き合ってって告白して、
いーよぉ って言われてたとしても、
結局このカンケイのまま
ずっといくんじゃないかって
思ったりもする。
で、なんだかんだで
自然と友達に戻るんだ。きっと。
「…近すぎたんだ」
「え? 何が?」
「あ、ううん、なんでもない」
「ほら、屋上、行ってきなよ」
「は?」
「佑二が屋上で待ってるって
アコちゃんにメールしといたから」
「は!? ちょ 何言ってんの!?
俺今日携帯忘れたんだぞ!」
焦ったように
席を立って走って行った。
「ふふっ ばーか」
夏休みに入る前に、
携帯を握りしめて
佑二でなく、私のところに
走ってきた山田さん。
『携帯買ったんです!
教えて下さい!』って。
その時佑二が…
『なんで先に俺んとこ来ないの…?』
って、本気でへこんでたから
本当におかしくて笑ってしまった。
夏休み中も
『今度デートするんです!
再来週なんですけど…服が
決まりません!』
って可愛いメールが来たし。
どこまでも純粋でまっすぐだから
ノリで手を出すなんてこと、
できないんだろうなぁ。
これから始業式だから
屋上は無人…
「ククク」
「ルカ、どうしたの?
体育館行くよ?」
「あ、うん。いこいこ!」
友達と連れだって歩きながら
渡り廊下から見上げると
アコちゃんに駆け寄る佑二が見えた。
「…あ」
「ん?どした?」
「あ、ううん。暑いなーって」
「そーだねー」
『アコちゃん!と言って
後ろから抱きしめる』
『バッッカじゃねえの!?』
end.
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