第1章
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そこから数年、桜の花は咲けどスミは姿を見せず、花も桃色の身を誇らしげに示すばかりであった。 もう会えない、そう思いながら桜の木にもたれていると、唐突にスミの声がした。 懐かしく愛おしいその顔に、泣きながらも伝えたかった言葉を、『おかえり』と伝える。 二人の前に咲き誇る桜の花は、その身を薄墨色に染めていた。
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