四章

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それからというもの、弟は猛勉強を重ね、見事合格した。 そして家を出る日が訪れた。 貯金全額で足りないため、借金したお金を合わせて50万を封筒に入れ弟に手渡した。 「頑張れ」 それくらいしか言葉が思い浮かばなかった。 母は相変わらず「ごめんね」と繰り返し、弟を抱き締めては涙を流していた。 そして弟の乗る電車を見えなくなるまで見送った。
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