二章

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高校を卒業後、近所の町工場に就職する。給料は少ないが、職につけるだけ有難い。 それから半年後、母は身体を壊した。 原因は疲労。俺達に心配をさせないためか、詳しくは教えてもらえなかったが、腰の病気だと告げられたそうだ。 その為、母の収入は激減した。 弟の学費や生活費、母の借金、さらに医療費。今の収入では到底賄えるものでは無かった。 俺は家族を支えるため、休日と本業後に空いた時間を使いアルバイトを始めた。会社の規則上副業は禁止されていたため、秘密にせざるを得なかった。 当時高校生だった弟もアルバイトをして助けると言ってくれたが、俺は断った。弟の好きな野球を続けて欲しかったからだ。ただ、小遣いを渡す余裕が無かったため、小遣いのための、部活がおろそかにならない程度のアルバイトは許していた。
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