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入社して早三年、弟は高校を卒業する年を迎えた。
「高校卒業したらどうするんだ?」
「就職する」
「大学には興味無いのか?」
「あんな所興味ないね」
弟は一刻も早く職について稼ぎたいという。俺達家族を援助するためだ。しかし俺は知っていた。弟は大学進学を望んでいる事を…。
弟にある一人の親友がいた。家に良く遊びに来ていたのもあり、俺も仲良くなっていた。
そんなある日「弟には内緒で」という前置きで弟の大学への考えを教えてくれたのだ。
やっぱり……。
俺は心の中でそう呟いた。
弟の学年では進学率が七割にも昇っていると聞いた。せめて弟だけでも希望通りに、そして楽しい人生を歩んで欲しい。弟からも「家族の支えになりたい」「家族に迷惑をかけたくない」そう言う気持ちがひしひしと伝わってくる。
しかしそれでは駄目だ。
俺の二の舞にしてはいけない。
俺は弟を呼んだ。
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