嫉妬 ①

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「・・・なんで、それを俺に?」 問う圭太に首を傾げる。 「・・・何でだろう?・・・知っていて欲しかったのかな?」 首を捻りながら呟き、自分でもかなりおかしなことを言ったと思ったのか慌てたように弁解する。 「進藤さんの彼氏さんに変なこと言ってますよね。特に深い意味はないんです。・・・ごめんなさい」 シュンと落ち込むリクにいやと、呟いた。 「仲良く出来たらなって思ってて」 「俺と?」 「はい」 大きく頷くリクに無理だと心の中で呟く。 「今度、ダブルデートしてもいいですよね。進藤さんとのラブラブっぷりを思いっきり見せつけてくれて大丈夫ですから」 「ちょっと、待て」 圭太はリクの言葉に引っかかりを覚える。ダブルデートって何だよ。別れたんじゃねぇの?眉根を寄せる圭太にリクは戸惑った視線を向けた。 「ダブルデート?」 「はい」 「・・・俺と進藤?」 「はい」 「・・・青柳と・・・誰?」 答えは分かっていた。でも自分の口では言いたくなくて、敢えて訊ねた。 「修也」 淀みなく答えたリクに、そうかと呟いた。アドレスを交換しようと申し出たリクに、圭太は半ば呆然としたままスマホを差し出していた。
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