嫉妬 ②

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「本当に反省してるんだな」 「もちろんだ」 「・・・じゃあ、いい」 ぶっきらぼうに答える圭太に、修也はバッと顔を輝かせ、圭太に腕を伸ばし抱き着いてくる。圭太は避けずに受け入れた。力強く抱き締められ、修也から汗の匂いを嗅ぎ、ドドドドッと鳴り響く速い鼓動を聴き圭太は、ホッと息を吐きながら抱き締め返した。 「圭太、圭太」 修也は焦れたように何度も圭太の名を呼び、抱き締めたまま圭太を押し倒した。首筋に当たる吐息が熱い。噛み付くように肌に吸い付く唇に体を竦め、修也のその性急な様子に圭太が待ったを掛けた。 「ちょつ、ま、待て、おちつ・・・っ」 圭太の抗議の声を修也は唇で塞いだ。突っぱねようとする手を掴み指を絡めると、顔の横に縫い付ける。尚も暴れようとする圭太を抑えつけるように乗り上げた。 唇を離し見下ろす目は飢えた獣のようにギラついていて、欲情を隠すことなく見つめるその目に、圭太はクラクラと目眩を覚えた。 求められている。そう感じた瞬間カァーと体中が熱くなり、下半身ばかりか、あらぬところまで疼いてきた。 「お前が欲しい」 掠れた声が鼓膜を擽る。腰を押し付けられ、兆し始めた昂りに押し当てられ、圭太は喜びに全身を震わせた。女を抱いている時には感じたことのない、飢える程に求められる喜びに、その熱い欲望に瞳を潤ませた。
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