嫉妬 ②

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唇に噛み付くように口付けられ、口腔を犯される。貪るような口付けが、圭太の思考を奪って行く。絡みつく舌に吸い上げられ、舐られる。角度を変えながら何度も交わし合うキスに、圭太の息が上がって行く。 「圭太、圭太」 絡め合った指が離れたと思えば、修也は掬うように背中に手を回し、キツく抱き締めて来る。耳朶に甘噛みし耳殻をなぞられ、耳の中をねっとりと嬲られる。 愛する男の頭を抱き寄せ、圭太は愛おしげにかき抱いた。瞳を見交わせばキスを交わし、互いの猛ったモノに手を這わせて行く。 お互いがお互いを求め合い、本能の赴くままに獣のように交じり合う。こんな場所で、こんな格好でなんて、箍が外れた二人には関係ない。 「・・・圭太っ」 切羽詰まった声で名を呼ばれ、圭太の体がビクリと跳ねる。修也は背中を覆うように密着すると、頸にキスを落とした。 「・・・愛してる」 圭太の背中を唇でなぞりながら「俺の一生はお前のもんだ」と修也が囁く。その声を聞きながら、圭太はうっそりと笑みを浮かべ「俺も愛してるよ」幸せを噛み締めながら、そう呟いていた。 先のことなど分からない。今どれだけお互いを強く求め合い、愛し合っていても、いつかは気持ちも冷めて別れてしまうかもしれない。不確かな未来を夢見るほど子供ではないつもりだ。 それでも、修也となら歳を取って皺くちゃになっても、共に歩いているんじゃないかと、圭太はなんとはなしに思っていた。 俺の一生もお前のもんだよ。圭太は心の中でそう呟いていた。 嫉妬 ② ー終ー
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