第5章

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野菜炒めとジャガイモのサラダ。なめこの味噌汁を食卓に用意して、二人でワイワイ言いながら食べた。 「本当は、もう一皿あるのが理想なんだろうけど・・・まぁ、初心者にしちゃ上出来だよな?」 風太はごはんを頬張りながら、うんと頷く。 「どうなることかと思ったけど、ちゃんと食べられる」 「・・・風太」 圭太はジロリと風太を睨み付ける。 「よし、その喧嘩買ってやる。覚悟しろよ」 圭太は風太の体を拘束すると、脇腹を擽る。風太はギャハハと笑いながら、圭太から逃れようと暴れ出す。 「と、父ちゃん、ギブ、ギブ」 「ごめんなさいは?」 「・・・ご、ごめんなさいー」 圭太はよしと呟くと、風太から手を離した。 「父ちゃん、ひどい」 「ん?なんだ?もっかいか?」 圭太が指を曲げて擽る真似をすると、風太が慌てたように逃げ出した。 食事の後片付けを終えたあと、のんびりと二人でテレビを観ていると、風太が忘れてたと、声を上げた。 「何だ?」 「あのな、こんどの土曜日に、奏の家に泊まりに行きたい」 「土曜日?」 「うん。その日、おっちゃんの友達が来るんだって、で、その友達の子供もくるんだけど、奏そいつらにがてみたいで、おれに一緒にいてほしいって言われたんだ」 「幸也さんの友達の子供が来るのか?」 「うん、泊まり行っていいだろ?」 期待を込めた眼差しで見つめる風太に「うーん・・・どうだろな」と圭太が難色を示した。
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