第5章

33/178
前へ
/599ページ
次へ
◆ 射し込む陽射しが眩しくて、圭太は眉を顰めた。手を伸ばし、シーツの上を滑らせ探るように腕を動かす。求めるものがないと分かると、圭太は身動ぎ窓へと顔を向けた。 「・・・ダルい、眩しい」 呟く声が掠れた。布団を頭から被る。気怠い体。下半身にはまだ何かが挟まったような、ジンジンと甘く痺れる感覚がしていた。 「あのバカ」 顔が火照るのを誤魔化すように、悪態を吐く。 昨夜遅くに帰って来た男は、寝ている圭太の部屋へと忍び入り、自室へと攫ったのだ。寝ぼけている圭太にイタズラを仕掛け、散々っパラ翻弄した。 風太を保育園に連れて行かなきゃいけないから、一度だけだと言った圭太に、自分が連れて行くから気にするなと、何度も挑み掛かられ最後は意識を手放し解放されたのは、既に明け方だ。 布団から顔を出し、時間を確認する。ーー時計の針は11時を指していた。 「・・・マジかよ」 項垂れたように呟き、体を起こした。平日はいつもセーブしてくれていた筈の修也が、何であんなに執拗に圭太を貪ったのか、理由が分からなかった。快楽に流され、自身も「もっと」と強請ったような気もするのだが。・・・それはそれだ。 勝手知ったる何とかで、タオルを取り出し浴室へと向かう。温めのお湯でシャワーを浴びた。 気怠さは残るが、シャワーを浴びたことに寄って、幾分か頭がシャキッとした。鏡に映った自分に、しっかりしろと、喝を入れた。
/599ページ

最初のコメントを投稿しよう!

419人が本棚に入れています
本棚に追加