第5章

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「おう、圭太で充電したしな。元気だ」 「だから俺はこんなにも疲れてんのか」 「モロ、事後って感じだもんな」 圭太を覗き込むように見る修也の顔は、ニヤニヤと締まりがない。揶揄いに眦を吊り上げた。 「誰のせいだと思ってんだ」 さっき飲み込んだ言葉を吐き出す。修也は圭太の腰に手を回し耳元で囁いた。 「俺だな」 カリと耳朶を甘噛みし、双丘を鷲掴みにされて圭太の全身がカァーと熱くなる。違和感の残る場所が疼いた。 「でも、煽る圭太も悪いんだぞ?」 求めには応えてこその男だろ?甘い声で囁かれ体から力が抜けそうになる。気力を奮い立たせ、胸元を押し返すと、圭太はキッと睨み付けた。 「セクハラで訴えるぞ」 「そんな潤んだ目で言われてもな」 逆効果だぞ?と揶揄されてピシリと頭を叩いた。 「痛えな。お前、直ぐ暴力に走るの禁止な」 「ロクでもないことばっか言うお前が悪い」 吐き捨てて、圭太は修也を引き離しソファへと向かった。 恥ずかしがり屋さんだもんな。修也の呟きが聞こえたが、無視した。 「コーヒー」 ソファに座り、足を組むと尊大に言い放った。 「飯は食ったのか?用意しといたろ?」 「ああ、食った。ごちそうさん」 「ん、待ってろ」 修也は満足気に頷くと、いそいそとキッチンへと向かった。
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