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『・・・あいつが会いに行った相手は、本当に友人だ。修也が昔一目惚れして、振られた相手ってだけで何かあった訳じゃない。街で偶然再会して飲みに行くことになったらしいが、それだって懐かしさからだろうしな』
「・・・修也が一目惚れした相手」
圭太はそのことに引っ掛かりを覚えて呟いた。
『ああ。ただな、あいつはお前と別れてかなり落ち込んでたんだ。だから暴走しなきゃいいとは思っててな。酔わせてどうこうする奴じゃないから、大丈夫だとは思うんだが、小原が聞いて変に勘繰ったりしてもな・・・って思うと言い辛かったんだ」
意味深な言い方をして悪かったと、昴が謝罪の言葉を告げた。
だからと話を続けようとした昴の言葉を圭太は遮った。
「いや、聞いて良かった。気を使わせて悪かったな。・・・それで進藤、どこで何時頃待ち合わせか聞いてないか?」
『どうするつもりだ?』
「俺も合流する」
『合流って・・・本気か?』
問われ、圭太は頷いた。
「本気だ」
飲みに行くってことは酒が入るってことだ。素面なら、修也も理性を働かせるかもしれないが、酔った勢いで、なんてのはいくらでもある話だ。可能性がある以上、二人っきりにはさせられない。
酔った勢いだろうが、何だろうが、あいつが俺以外の奴を口説くなんて、そんなことは許さない。
圭太はスマホを握り締めると、昴へと再度訊ねた。
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