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「知られたくないから嘘を吐くんじゃないのか?修也と進藤の二人なら、隠し事をしたいのは修也だけだ。あいつに嘘を吐く動機がないからな」
「・・・俺をお前と一緒にすんな」
睨み付けられ、圭太は眦を吊り上げ睨み返した。
「あん?・・・忘れたとは言わせないからな」
「何がだ」
「青柳に会いに行った時、お前は思いっきり嘘吐いただろうが」
「うっ」
修也は小さく呻くと視線を逸らした。圭太はそれを見てフンと鼻を鳴らす。
「あ・・・あれはあれ。これはこれだ」
「あれやらこれやら訳がわからないこと言ってんじゃないぞ?」
「とにかく、さっき言ったことは本当だ。なんでスバルがそんなことをしたかは分からないけどな」
修也は言葉を止めると、顎に手をやり何事か考え始めた。
「・・・修也?」
「・・・・・九条?」
圭太から視線を逸らし、修也は後ろを振り返った。
「なんだ?痴話喧嘩は終わったのか?」
「うるせぇよ。・・・それより、圭太はスバルに謀られた。あいつが関わってるってことはもちろん、お前もグルだよな」
「・・・さぁ、どうだったかな」
「惚けてんじゃねぇぞ?・・・くそっ、いきなり会いたいとか言いやがるし、往来では抱き付いてくるし、嫌がらせにしては手が込んでるから、おかしいと思ったんだ」
「・・・ぐ、グル?嫌がらせ?」
どういうことだと戸惑う圭太に、修也が溜め息を一つ零した。
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