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「・・・奏?・・・そうか、確か奏の名字って、西園寺だったな」
そう言えば、以前奏の家に泊まりに行く際、九条組の息子達が来るがそれでもいいならと、打診されたことを思い出す。
「じゃあ、あの時来るって言ってた子供達は」
「俺の子ですね」
圭太は「あーー」と唸り声のようなものを上げると、ペコリと頭を下げた。
「・・・その節は風太がお世話になりました」
「今、ここでそれかよ」
修也の呆れた声に顔を上げた。
挨拶は大切だろと修也を見れば「まぁ、そうだけどな」と半笑いを浮かべる。
「世話になったのはこちらの方です。風太は良い子ですね。大翔たちにも優しくしてくれました。友達になったんだって言って、はしゃいでましたよ。あいつらのあんな顔は初めて見た」
語る顔は慈しみに溢れる父親の顔だった。こんな表情も出来るのかと圭太は驚いた。
「圭太さんには嫌な思いをさせてしまいました。昴さんに、仲の良い恋人同士に刺激を与えてやるのも楽しいだろ?と言われましてね」
まさか、別れ話で縺れてるとは思いませんでした。と苦笑を零した。
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