第5章

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「お前、俺に対する態度とエライ違いじゃねぇか」 「そりゃ、当然だろ。風太の父ちゃんに嫌われたくないからな」 「俺も将来的には風太の父ちゃんだぞ?」 「・・・だから、何だ?」 「だから何だって・・・そりゃ・・・もうちっと思いやれよ」 「思い遣れねぇ」 意味深に笑うと「遥」と九条が名を呼んだ。 「はい」 先程から後ろに控えていた男が頭を下げる。 「鍵」 遥によって手渡された一本の鍵を翳す。 「このマンションの空室の鍵だ。部屋にはベットしかないが充分だよな。・・・泊まって行くか?それとも帰るか?」 意味深な笑みを湛える九条に、修也がニヤリと笑った。 「決まってんだろ。泊まる」 差し出された鍵を受け取る。 「俺は帰る」 圭太の言葉は当然のように流された。 『3階の301。エレベーターを降りて左に曲がった突き当たりだ』 いまいち納得仕切れていない圭太を余所に、修也は強引に話を進めて行った。 「なぁ、修也。待ってくれ。訳が分からない」 戸惑いの声を上げる圭太を、ぐいぐいと引っ張って歩く。 「話は後だ」 エントランスを抜けて、エレベーターに乗った時は、軽く息切れがしていた。 何とか手を引き離そうとする度に、修也の握る手が強くなり、今は痛い程だった。 「痛いって、手、痛い」 「我慢しろ」 「無茶言うな」 圭太が憮然とした顔で睨み付けても修也は素知らぬ素振りでスルーした。
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