418人が本棚に入れています
本棚に追加
『・・・お前、いい加減にしろ。今何時だと思ってやがる』
何度目かのコールのあと、超絶不機嫌な声での第一声がそれだ。知ったことかと、修也はふんと鼻を鳴らした。
「お前だけは一発殴る」
『・・・随分と物騒なセリフだな』
電話の向こうでスバルが苦笑する。
「どういうつもりで嵌めやがった」
昨日の昼間。コンビニから帰って来た修也に『今し方響から電話があった』そう告げたのはスバルだ。
『お前、響に連絡取ってなかったのか?』
『・・・ああ』
『不義理だって怒ってたぞ?今日の6時に駅前に来いとさ』
『・・・忙しい』
『ひなが1日ボーとしているだけだろうが。響も久しぶりに会いたいんだと思うぞ?相手くらいしてやれ』
『・・・他に電話なかったか?』
『ああ、ないぞ』
『・・・そうか』
『伝えたからな。ちゃんと行けよ』
スバルはそう言って念を押したのだ。
何が不義理だ。嘘吐いて嵌めやがって。剣呑な雰囲気を纏わり付かせ「どういうつもりだ」と昴に詰め寄った。
『どういうつもりも何も、サプライズ的なプレゼントのつもりだが?』
「はぁ?」
『お前、言ってただろ?小原に必死になって縋り付いて欲しいって。嫉妬されて詰られたいって』
昴のその言葉に修也は溜め息を吐き出した。
最初のコメントを投稿しよう!