第2章

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 灼熱の屋外は…都会の真ん中でも木のあるところには蝉がいて、一斉に張り上げるその声に思考を遮られる。そんな中を歩いていると暑さとやかましさで頭が真っ白になりそうだ。  優留は恨めしげに空を見上げた。  孤独から人を救うのは音楽…か…  俺は確かにその機会を掴みかけた。だが、自分の過ちで全て失ってしまった。  あの時どうして、あと少し冷静になれなかったのだろう?  そして何故、言葉に出来なかったのだろう?
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