第2章

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 優留は楽器のリサイクル店から少し離れた場所にあるコインパーキングまで歩いた。  実は車を試乗したいという要望があったので、試乗用の車で客先へ向かう途中だった。本当は試乗車をこんなところに止めるのは御法度なのだが止むを得ず、である。  車に乗ろうとしたところへスマートフォンのメッセージの着信音が鳴った。  スマホをバッグのポケットから取り出して送信元を確認すると、兄からだった。  特に急いではいないが知らせたいことがあるから、盆休みの間に兄の自宅まで来られるかという内容だった。  兄嫁の実家が直ぐ近くだから帰省もないし、いつでもいいという。
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