第2章

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 もしかして、父もそろそろ帰任なのか、と、亨は思い当たった。 フランクフルトに赴任して三年経つので、近々動かねばならないだろう、と先日帰ってきていた時に話していた記憶がある。  もし帰ってきたとしても、亨のピアノ教室は続けたらいいと言ってはくれたが、この狭い家で親子三人暮らして、一部屋がほとんどレッスンで使えないとなると明らかに不便だ。
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