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圧倒的な体格差があるにも関わらず、男はそれを感じさせない程に軽々とマザーの拳を払い除けてみせた。
がら空きになった懐へ潜り込み、腹部に向かってその小さな拳を打ち込む。
拳が腹部に命中し、深々と食い込んだと同時、10メート以上もあるその巨体が宙に浮いた。
マザーの巨体が男の攻撃の勢いによって上空へと吹き飛ばされたのだ。
上空を見てみると、マザーが吹き飛ばされたその先には男が既に先回りしていた。
恐らく、先程までの戦闘で見せたような瞬間移動並みの素早さで移動したのだろう。
そしてどういう魔法を使っているのか、不思議な事に男は空中でふわふわと滞空している。
あれも何らかの魔法の一種なのだろうが、ルナにはそれが何なのか理解する事すら出来なかった。
自分が滞空している所までマザーの体が吹き飛んでくると、男は拳を握り締めて再びその巨体を上から勢い良く殴り付ける。
マザーの巨体は凄まじいスピードで地上に向かって逆戻りし、アスファルトに叩き付けられ、深くめり込んだ。
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