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「ふざ、けるな・・・」
ルナは必死に立ち上がろうとするが、体が言う事を聞かない。
「やめ、ろ・・・。やめろ・・・」
無理矢理に体を引きずってでもカイトの元へ移動しようとするルナだったが、遂にその時が訪れてしまう。
シエルがパッと手を離したその瞬間、カイトは何の抵抗も見せないまま境界へと通じる穴の中へと落ちていった。
「う、嘘・・・。カイト・・・?」
ルナがカイトの名前を呼んでも、穴の中から彼の返事が返ってくる事は無かった。
最後の瞬間、穴の中に落ちていくカイトと目が合った気がした。
たった今目の前で起きた受け入れ難い光景がルナに容赦無く現実を叩き付ける。
「う、ああぁぁ・・・」
地べたで頭を抱えるルナを尻目に、手をかざして転移魔法の穴を消滅させながらシエルは静かに告げる。
「任務完了っと」
「カイト・・・。う、うわあああぁぁぁ!!!!!」
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