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すまない、皆・・・。
今更謝って済む事でもないが、カイトの気持ちはその一点だった。
悔しかった。
仲間を守れなかった事、その脅威となる相手を倒せなかった事が。
腹が立った。
それを成し遂げられなかった自分自身の弱さが。
しかしいくら自分自身を責めても、いくら後悔しても、もう全て終わってしまったのだ。
今の自分に出来る事などもう何も無いという事はカイト自身が一番良く分かっていた事だ。
やがて自分の体に異変が起き始めたのを感じた。
何かが自分の中に入り込んでくる感覚が確かにあった。
得体の知れない何かが、全身を支配していくのが分かる。
どうやら俺にも最期の時ってやつが訪れようとしているみたいだな・・・。
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