EP63 破壊神降臨

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ゆっくりと目を閉じたその時、カイトの中に声が聞こえてきた。 まだ捨てていなかったのか、その名前。 だからお前は弱いのさ。 本来の使命を忘れ、滅ぼすべき相手が誰なのかさえ忘れ、デコイ共と仲良しごっこをしているような今のお前ではな。 自分とそっくりなこの声を聞いた時、カイトは思い出した。 この感覚は以前にも何処かで感じた事がある。 そう、確かヤビコでアベルと戦った時のあの感覚に似ている。 自分の体に魔素が入り込んでくる感覚、そして己の中で膨れ上がっていく強大な何か。 どうやら今の自分は、この声の主に体を支配されてしまっている状態にあるらしい。 何かを言い返そうとしても全く言葉が出て来ない。 声の主が一方的に話を進めていくだけだ。
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