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おだ「〝正義感が強くて真面目で、誰よりもきちんと仕事をしようと頑張るところ〟」
きづ「うわ……なに……(そんな真顔で言わないでください……)」
おだ「〝俺がどんなに馬鹿やっても、なんだかんだ言いながら絶対に見捨てないでいてくれる、優しいところ〟」
きづ「……」
おだ「そんな良いところ満載なお嬢を、俺は心から信用して、頼りにしています」
きづ「……小っ恥ずかしいこと言いますね。(どうしよう。嬉しい。顔が熱くなってしまう)あの……小田村さん、そう思っているのは、なにもあなただけというわけじゃ――」
おだ「よっしゃー! 勝ったぁー!」
きづ「……はぁ?」
おだ「先に10個」
きづ「(それ、ちょ……)今……そんな話の流れでした?(空気読んでください!)」
おだ「え? だって今、勝負してたでしょ? 俺とお嬢」
きづ「……あーもーいいです。くだらない、こんな茶番……!」
おだ「そう?」
きづ「ええ! さあもういいでしょう? さっさと業務に戻りますよ」
おだ「……あはは」
きづ「何がおかしいんです!」
おだ「やっぱり優しい。いや、可愛いよ」
きづ「馬鹿にしてるんですか」
おだ「だってさぁ……『あなたなんて知りません』……じゃあないんだね?」
きづ「はぁ?」
おだ「俺もう二回も言ってるよ? 〝お嬢〟って」
きづ「ッ……!」
おだ「いつもありがとう、お嬢。ほんと助かってるよ(ニコッ)」
きづ「こ……っ(の……馬鹿! アホ! 自分! なんでコイツなんだろう)、……台詞の使い回しはやめてもらえますか」
おだ「あらら、バレちゃった? うちのカミさんはこれで喜ぶんだけどねぇ」
きづ「どういう理屈ですか。はい、もうほんとに終わりです。今すぐ業務に戻ってください」
おだ「ハイハーイ」
きづ「ハイは一回! (なにをやってるんだ、私は。なんでコイツ……同期で、上司で、妻を愛するこの男を――)」
※どうして好きになってしまったのだろう。
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