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その答えに、男らがひゃははと笑う。
「あいつが両方いけるってこと、俺らだって知ってるんだぜ」
なあ、と畠山に意味ありげに笑いかける。笑われた畠山が顔をしかめた。
「上城は、昔、畠山さんのオンナ横取りしやがったからな」
男らは酔っているのか、なにかでハイになっているのか、へらへらしながら喋っている。けれど、目だけは据わっていた。
まずいことに巻き込まれそうな予感がして、陽向はそっと後ずさろうとした。しかし男たちは背後も阻んできた。
「だからつまり、俺らもあいつのお仲間ってこと」
太目の男が、陽向の肩に手を回す。引きよせて逃げられないようにしてから、自分らが立っていたバーの扉をあけた。
「だから、あんたもお仲間。どう? 一緒に楽しんでいかない?」
無理矢理捕えられて、店内に連れ込まれてしまう。
「……ちょ、と待ってください。やめてください」
身を捩って相手の腕から逃れようとすると、反対側から畠山に腕を拘束された。
「上城のオトモダチなら、あいつがどんなにひどい奴か教えてやろうか」
畠山の言葉に男らが同調する。
「それがいいな。あいつの話なら聞きたいだろ?」
「……は、話?」
抗う間もなく背中をぐいと押された。四人がかりで囲まれ逃げ道がなくなったまま、狭いバーに力ずくで引っ張り込まれる。
陽向らが中に入ると、店内にいた男たちがいっせいに振り向いた。全員が男で女性はひとりもいない。カウンターには、中年の小太りのマスターらしき人がいた。助けを求めてそちらを見るが、マスターは嫌そうな顔をしただけだった。
「まあ、そんな怖がるなよ。別に今すぐ取って喰おうってんじゃない。上城の友達なら、俺らだって仲よくしたいだけなんだからさ」
腕を掴まれ、店の奥まで連れていかれる。相手はプロのボクサーなので力では敵わない。怯える陽向に、男らは面白そうに笑ってきた。畠山が顎で裏口を示す。
「マスター、裏、借りるぜ」
カウンターの中に声をかけると、マスターと呼ばれた男が、厄介ごとは迷惑とばかりに顔をしかめた。
「汚さないでよ。はっちゃん」
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