第一章

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 こうして、冒頭のシーンにつながるのである。 『第一ゲームは、みんなにちょっと変わったジャンケンをしてもらいます!』  二階から小型のウサギの形をした二足歩行のぬいぐるみが大量に降りてきて、俺たち一人ひとりの前に一台のウサギ型ぬいぐるみが陳列する。  ぬいぐるみは、俺たちに何やら腕時計らしきものと、一本のコードを手渡す。 『みんなその端末を腕に付けてね。コードは大事なのでちゃんと持っておきましょう』  先ほどの加藤の件のトラウマからか、皆すぐにその言葉に従い時計を装着した。 『スイッチを入れると、赤、青、黄のどれか一色が表示されるよ。それが君たちの色です。他の人からは見えないようになってるから安心してね。自分の色を周りに教えるのはいいけど、多分かなり不利になるからやめといたほうがいいよ』  島三郎に言われるままに、俺は端末を付けてスイッチを入れた。  真っ黒なディスプレイの奥に、黄色い光が灯っているのが見えた。  これが俺の色というのか。黄色、ということになるらしい。
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