第一章

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『ルールを説明します。君たちの課題は一つ。3時間以内に、この2階に上がってくること。ただし、2階に上がるには、みんなの端末に宿った妖精の力が必要になるの。けど、今の妖精はまだ力が弱くて足りないの。最低一回「戦いの儀」を経ることで、妖精はここを通るのに必要な力を得ることができます。けど、戦いの儀にはリスクもあるんだよ』  島三郎のうしろから、2つの虎のぬいぐるみが同じく2足歩行で登場する。腕には、俺たちと同じ端末がまかれていた。 『勝負をするときは、このケーブルをつないだ状態で、端末したのボタンを押すんだよ。ボタンを押したらキャンセル不可能だから注意してね』  2つの虎のぬいぐるみは、一本ケーブルを使ってお互いの端末をつなぐ。よく見ると、俺の端末にも左右にジャックらしき穴が開いていた。  虎のぬいぐるみがボタンを押す。2匹の間に、なにやら赤い光で体を構成された少女と、青い光で形作られた少女が現れた。ホログラムかなにかだろうか。お互いの額の上には、「1」という数字が浮かんでいる。  青の少女の数字が「2」に変化する。そして青の少女が腕を一振りすると、赤の少女が悲鳴を上げて消滅した。  そして赤の少女の後ろに立っていたぬいぐるみが、ばたりと倒れる。
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