プロローグ

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プロローグ

 噴き出す血。  首のもげた死体。  多くの生徒たちの、悲鳴。  それが、俺、楠丘樹くすおかいつきの目の前に広がるすべてだった。 『手荒なことはしたくなかったんだけど、仕方ないよね』  目の前で血にまみれた斧をもってしゃべる、腰の高さほどしかない二頭身の二足歩行する虎のぬいぐるみ。 『ですが、これでわかっていただけましたね。僕のいう「殺す」は紛れもない本気です。殺されたくなければ、みなさんはゲームを勝ち抜くしかないんだよ』   すぐそこで起こった現実を受け入れられず、狼狽する俺たちを後目に、虎のぬいぐるみ『島三郎』は少年とも少女ともつかない声でそう言いながら、再度ステージに上る。 『では、気を取り直して、第一ゲームのルールを説明するよ』
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