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その部屋の一角には、プールのような四角い水場があった。
周囲には緑だけじゃない不気味な色の苔が生え、水も暗く澱んでいて底がまるで見通せない。
どんな危険が潜んでいるかも知れず、できれば近づきたくはない、が。
「そこのお方!どうか助けてください!」
なんと、金髪の美少女が水場の中央付近で溺れているではないか!
しかも彼女の周りでは、これまたおぞましい色の蛸足のような触手が数本、隙をうかがうかに蠢いている。
さらわれた娘と特徴が一致するという事もあったが、なによりこの状況で助けに行かぬ奴など、冒険者の……否、男の風上にもおけん!
俺は一も二もなく彼女の元へ飛び込んだ。
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