ある冒険者の憂鬱

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◆ そしてその後も、『こんな事』は一度や二度ではすまなかった。 ある時は、魔法で作られた金髪美少女の幻で惑わされたり、 ある時は、「ダレカタスケテー」と叫ぶオウムが出てきたり、 ある時は、あからさまにできの悪い娘の人形が置かれていたり、 ある時は、壁の落書きレベルの娘の絵が描かれていたり…… 魔物が化けていたケースも何度もあって、中でもどこからどう見ても、オークにただ女装をさせただけのアレは酷かった……。 思わず残虐性が目覚めて、人に言えないレベルの倒し方してしまった位に。 とにかくそんな訳で、身も心も疲労困憊で、悲鳴に嫌悪感すら抱く今の俺には、どんなに助けを求められても「どうせまた罠だろう」としか思えないのだ。 それよりも、元凶の魔女を見つけて居場所を吐かせた方が早いに決まっている。 俺はもう一度ため息をついて、扉の前を通り過ぎた。 後ろの方から、まだ「キャー」とか争うような音が聞こえてくるが、今さらそんな凝った演出されても乗らないっつうの。ご苦労様。
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