1人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
俺はまどろみな眠りからうとうとと目を覚まし始めていた。
あれ、そういや寝た前の記憶がないぞ?
それに今は夜か朝かも分からない。
だが、俺はすぐに今が夜ではないのだと判断した。普通に訳を言えば明るいからだ。
じゃあここはどこだ?
自分の部屋でもないし確実に自分の家でもない。
しかも、眠たい目を擦ってみると花畑があった。
「花畑!?」
俺は意味も分からぬ事態に混乱の声をあげることしかできない。
今はそれぐらい前の記憶が薄いのだ。
まて、そういや俺は誰だっけ?
名前、名前、名前も思い出せない。あぁ、そうだ俺の名前は九重秀(ここのえしゅう)だ。今思い出した。
それから、俺は名前も思い出したと共に、それ以外の全てを思い出した。
まず、俺が高校生だって事。平々凡々の悪くもなければ良くもない、そして、可もなければ不可もない、そんな高校生だ。
なんとなく家族の構成も思い出してきた。
偉大でケチ臭い父に、時には優しく、時には厳しい母に、もう、死んでしまいそうなじいちゃん。
そして、出来の良い兄に、出来の良い姉、さら
には今年一歳になる妹。
だいたい、すべての事を思い出した。
最初のコメントを投稿しよう!