新たな出会い

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それは、私が元人間だったということが、周りにばれてはいけないということだった。 鬼仙が私をここに連れてきた理由こそは私自身わかってはいないが、どうしてもこの世界に連れてきたくて、この世界では異例の、人間をこの世界に連れて、一緒に住むということを考えたらしい。 私の体は見た目こそは変わっていなかったものの、持っている能力が人間だったころに比べてけた外れになっていた。 鬼仙いわく、私が元々持っていた特殊な力が、この世界に来ることによって解放されたと言っていたが、詳しいことはよくわかっていない。 スズたち3人に、鬼らしい生き方、戦い方を叩きこまれ、そうして私は一人前の鬼となって、世に姿を現した。 今まで鬼仙の隠れ家で生活していた私にとって、この世界の本当の風景を見るのは初めてだった。 3人は私の付き添いとして、毎日そばにいてくれたおかげで、私は難なく生活することもできた。 新しい友達もできた。 そして新たに分かったことは、この世界には、鬼だけが住んでいるわけではなく、獣も住んでいた。狼男や、人魚。今まで架空だと思っていた者たちがこの世界には住んでいたのだ。 まるでこの世界はおとぎ話のようで、私はすぐに気に入った。そしてここで一生暮らしてゆきたいと思った。 そんな風に生活を続け、さらに6年が経ち、人間の歳でいうと、私は17歳になっていた。 ーーーその年齢を境に、私の人生は徐々に変わっていく。 あの日交わした約束を、私は覚えていたのだろうか。
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