決断

13/30
前へ
/30ページ
次へ
越石くんが出て行き、 しばらくたって前田さんが出て行った。 13時5分前の予鈴が鳴って、私ものろのろと動き出した。 13時から時差でお昼を食べようと思っていたけれど、すっかり食欲もなくなっていた。 私はそのまま事務所の自分の席に足を向けた。 午後の仕事に神経を集中させて、 極力余計なことは考えないでおこうと決めた。 時間が進むにつれて 不思議な感覚に見舞われる。 自分の気持ちと身体が比例して ショックな出来事にどうしようもなく気持ちが沈み、身体が重くなる自分。 その一方で どこか割り切りがついて 気持ちが軽くなって、身体までもがリラックスしている自分。 その両方を感じていた。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

247人が本棚に入れています
本棚に追加