決断

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吉野くんの言葉に、私はテーブルの上で組んだ両手の指を落ち着きなく動かした。 今日の越石くんの言葉を思い出し、 それは西島部長を想っていた時までさかのぼる。 思い通りにならなかった背伸びの恋 もしかしたらと淡い期待を抱いた滑稽(コッケイ)な想い もう… 届かない想いに落ち込むのは… 嫌だった… 誰かに 必要とされたい 付き合ってみて… 深まる気持ちだってあるでしょう? 今は誰かに 頼ってみたい… 必要としてくれる人の胸に飛び込んで ギュッと抱きしめて欲しいの 私の目には 薄らと水の膜が張った。
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