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目を細めて
口元で微笑みをつくる。
「今夜は…酔わせて」
これが私の答えだった。
「…いいよ」
吉野くんは左手で私の両手を包み、右手でグラスを持ち上げ、カウンターの上の私のグラスにそれをぶつけた。
私は自分の左手だけを自由にしてグラスを持った。
外で飲む時には最初からビールなんて選択はしないけど、
私はグラスに口を付け、ゴクゴクと最初の2、3口を喉を鳴らして飲んだ。
「あ、本気で飲む気だな?」
「…そう言ってるでしょ?」
私がもう一口喉に流し込むと、吉野くんは私の手を包んでいた手を一度離し、
指を絡めるようにもう一度握り直した。
「…どうなっても知らねえよ?」
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