1人が本棚に入れています
本棚に追加
篠原千秋(15)は、高校の入学祝いに買ってもらったばかりの、スマートフォンを手にニヤニヤしていた。
中学生とは明らかに何かが違う。がんじがらめに縛られていたものから解き放たれた感じがして、高揚感で満たされていた。
制服の高校を選んだのも、気分が一新されて正解だった。
きっとコレが大人になるってコトなのかしらね。
少し勘違いしている気もするが、彼女の気持ちも解らなくはない。
何故なら、幼稚園から大学までエスカレーター式のガチガチの私立の女子校を飛び出して、わざわざ普通の公立高校を受験し直したのだから。
堅苦しい女の園を抜け出して、もっと気楽に夢を語りあえる新しい友だちを作るんだ!
千秋は今、理想に燃えていた。
最初のコメントを投稿しよう!