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「コラァ新入生!初日から遅刻とはいい度胸してるな!?」
校門前で仁王立ちしているジャージ姿の若い男が怒鳴りながら、転がるように駆けてくる御厨春海を出迎えた。
「す、すみませ~ん!ハァハァお弁当が母を作ってて!」
春海は息を切らしながら気持ち悪い弁解をする。
「??面白いこと言うなおまえ。でも今日は弁当はいらないだろ?」
「で、ですよねー!」
「まあいい。あと2分で始業のチャイムが鳴るぞ、急げ!」
「はひ~!」
春海はのたのた走り出した。
「じゃ後でなァ!」
「へ?後で?!変なの。後でって何だろう?アチャーもしかして副担任の先生だったりして。入学から早々ついてない。お母さん、あなたを恨みます。グスン」
春海はブツブツ愚痴をこぼしながら、昇降口へと向かった。
「あと1分ッ!」
背後から大声が追いかけて来る。
「はァいっ!!」
春海は弾かれた様に校舎の中へと駆け込んだ。
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