第2章 青春は始まる

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「魔女になんかならないでほしいと思っている。」 グウェンダリンはふうん、と頷いた。 「因縁ね。何かしら手がかりがあるといいわね。ま。パートナーではあるし、協力するわ。」 「ありがとう。」 「でも助けるかどうかまでは協力できない。」 「・・・。やっぱりだめ?」 「見習いである以上敵対者には違いないからね。見習いであることをやめるなら話は違うけど。」 バーン!! ドアがまたしても開いた。 「いったー!やっぱりいたー!」 小麦色の三つ編みの少女が挨拶もなしに入ってきた。 「あたしオズマ・カンザス!お隣さんだよー!よろっっ!!」 「・・・。」 「・・・。」 「おうっ!?どしたのー!?じこしょーかいしよーよ!」 「騒がしい・・。」 ぼそっとグウェンダリンがつぶやいた。 オズマの後から物静かそうな少女が入ってきた。 「ごめんなさい。お話しの途中でしたか?」 「この子はリデル・クライスチャーチちゃんっ!」 勝手に自己紹介されたリデルは苦笑ぎみによろしく、と頭をさげた。 「ねーねー!きみたちは!?なんていうの!?どこからきたの!?」 「なんのはなししてたのかなー!?まぜてまぜてっ!」 「グウェンダリン・ナルニアよ。」 「きっれー!だよね!うるわしのグウェンダリンさん!」 「そうね。」 自分が美しいことを否定しないグウェンダリンだった。 「どこからきたの!?あたしはグンデッツからだよ!」 「ラブラロス王国。」 「あなたは!?」 ぐりんとした瞳を向けられてフラウはぎょっとした。 「え。あ。わたしはフラウ・アルカナス。ティタニア公国から来ました。」 「アルカナス!?ここと同じ苗字なんてめずらしーねっ!」 「まあ。たまたまですけど・・。」 「リデルちゃんはアルカナス育ちなんだよー!」 「はあ・・。」 「ねえねえなんのはなしてたの!?」 「元気でたのもしいかぎりね。オズマちゃん。」 皮肉っぽくグウェンダリンは言った。 表情がなぜか険しい。 「その靴は何かしら?」 オズマは銀色の踵の高い靴を履いていた。 オズマの顔がきらきらと輝いた。 「これは」 「それは魔女の得物じゃないの。」 ふっふっーんといいながらオズマはひらりと回転した。 足が床から離れた。 「そーです!魔女からぶんどった得物ですよー!!あれどーしてわかったんです!?」 「それが私の能力だから。どういうこと?」 「ふっふーん!」
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