第1章

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 ヒカルの家にはダイヤモンドは無かったが、古い黒曜石のペンダントや真鍮のイヤリングがあったので持って行く事にした。ヒカルは北の国に友人がいるので、友人に宝石などアクセサリーが余ってないか聞いてみた。「ありますよ、ちょうど整理しようと思っていたので送りますね」と言ってくれた。くれぐれも着払いで送ってねと頼んだ。  数日後、大きなリンゴ箱2つと小さな箱が届いた。小さな箱だけが送料着払いの荷札が付いていた。リンゴ箱2つと小箱にはぎっしりとサファイアの宝石やら金や銀のアクセサリーが入っていた。お礼の電話をしたら、北の国の友人が言ったのは次のような事だった。 「それらは私にはもう必要無いものなんです。私に必要なものは何かがわかったんです」 「それは何だったのですか?」と友人に聞いた。 「私に好きな人ができたのです」  そう友人は言った。リンゴ箱2つと小箱を持って親方の工場に持って行った。 「ありがとうーありがとう。あなたは私達の宝だ」  親方が言った。数十人の職人さんがリズミカルに機械を動かし、宝石やら金具を削る作業をし、働いていた。ヒカルは、自分もアクセサリーを作ってみたくなった。親方に、僕もいつかダイヤモンドの指輪を作ってみたいと話した。
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