ちぐるとハグ子、セカンドラウンド

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暗い中で私は片側の手足に冷たい感覚に襲われていた。 「これって……手錠か?」 「やっとお目覚めっすか?」 「ん?君は誰だ?」 私の手錠の先に女性が同じように捕まってる。 「名前は自分から名乗るのが常識っす。ちなみにハグ子っす」 「名乗ってるし。俺はちぐるだ」 「名乗りましたね。私はハグ子っす」 「なんで二回言った!!」 「あれ?そうすっか?」 「とにかく移動してあそこに座りたいんだが……」 「そうっすね。立ちぱなしで寝かされたっすからね」 よし、この人はなんとか分かってくれるだろう。 「右にあるから行こう」 「右っすね」 そうだ、右だ。痛いぞ?何で逆方向に? 「右だぞ?」 「行きましたっす!!」 「じゃあ、左だ」 「左っすね」 私たちの体は衝突した。 「何するんっすか!!」 「そっちだろうが!!」 私は彼女の体を見る。彼女は横に並んだ時、私とは後ろ向きで立っていたのだ。 「いいこと考えたっす!!」 彼女は私と向き合って手をつなぐ。まるで恋人のように。 「右っす」 「右だな」 こうして私たちはイスに座れたと同時に水の入った水槽に入った。 "恋人ドッキリ"と帯に書かれたのが、目に入った。 「何だよ、これ?」 「あなたは私の恋人になったす?」 「まぁ、こんな初めての知り合い方だけど……良ければ付き合って下さい」 彼女に手を差しのべる。 「よろしくっす」 彼女も手を取ってくれた。 彼女が同年代の人のようでよかった。私はその後、彼女と共に暮らしたのだった。 完
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