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何でリゼルはこんなに意地悪な事を言うんだと僕が思っていると、そこでシオンが、
「リゼルは自分が一番レベルが低いのが嫌なんですよ。君みたいな可愛い子はお気に入りのタイプなので、特に、ね」
「シオン、余計なことは言うな!」
どうやら気に入られているので、こんな風な喧嘩腰らしい。
どうしてそうなったと僕は思わざる負えなかったりするけれど、そこで、
「そもそも何だチートって。だったらこの道具なんかも作れるのか? 丁度魔物なんかも倒して材料はあるし」
「これ、ですか?」
リゼルが見せてきた本は、冒険者用の武器や防具、アクセサリー等の装備品の本だった。
その内の一枚を僕に指差して見せてくる。
どことなく目がキラキラしていて、もしかして欲しかったけれど買えなかったりしたのかなと思う。
そこでシオンが深々とため息をつく。
次にヒョイッとそのリゼルの持つ本を取り上げて、
「リゼル、まだ懲りていないのですか? 自分が何をしたのか覚えていないのですか?」
「だ、だって僕、新しい武器とか好きだし……」
「それを暴発させて家宝の剣を壊したのをもう忘れたのですか?」
「あれはたまたまで…… 」
「幼馴染とはいえ、そろそろ見捨ててもいいですか? リゼル」
「……え?」
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