蝶が飛んできた

6/6
666人が本棚に入れています
本棚に追加
/276ページ
 クロウは一応神様の子供だったり魔王予定だったりするので、素で見えたりするのかなと思って質問したのだが、 「いるぞ。その可愛い女の子の幽霊がその蝶に取り憑いている」 「……」 「てっきり勇者よりだから懐いてきたのかと思ったが……ああ、だから寄りついてきたのか。困っている人というか厄介事が自動的に集まってくると」  どうやら僕が勇者予定だったので近寄ってきたらしい。  でも僕がとりつかれるのは嫌だな、そう思っているとそこで何かがクロウの上に落ちてきて、クロウはそれを避けた。 「くくく、いつまでも同じように当たると思うなよ」 「でも一度に二個のクエストになるのかな?」 「……また面倒な」  クロウが呻いて、そこで落ちてきた紙を拾い上げたのだった。
/276ページ

最初のコメントを投稿しよう!