これが僕のチート能力

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 怒ったように微笑むシオンにリゼルが大きく目を見開く。  まるで捨てられた子犬のような瞳でじっとシオンを見ている。  それにシオンは困ったように笑い、リゼルの頭を撫ぜる。 「大丈夫ですよ、本当に私が見捨てるわけ無いでしょう。……僕以外に貴方の相手が務まるとは思いませんしね」 「な、ぼ、僕は別に、シオンの助けなんてなくたって、自分で何とか出来る!」 「そうですか? ではしばらく、一人でベッドに寝ましょうね」 「……え?」 「いい加減ぬいぐるみを抱きしめないと眠れないくせは直しましょう。ぬいぐるみの代わりに今は私に抱きついてきていますしね」 「……やだ」 「……少しづつ慣れていきましょう、ね?」 「……だったらシオンがお嫁さんに」 「やはり見捨てるしかないようです。リゼル、頑張ってください」 「いやぁああああ」  そうリゼルが悲鳴を上げているとそこでシオンの取り上げた本を、今度はクロウが取る。  不思議そうにシオンがクロウを見るが、そこでクロウが、 「そういえば、イズミがどんな力なのかを俺はよく知らないんだよな。魔道具を作れるなら試しに作ってみてくれないか?」 「う、うん。でも……使い方 は教わってないかも」 「……それじゃあチートの意味が無いんじゃないのか?」 「え、えっと、スマホを使えば何かできるかも」  僕は慌てて持ってきたはずのスマホを探す。  ポケットを探すと出てきて、見知らぬアプリがあり、そこには“魔道具検索”と書かれている。  どうやらこれを使えばいいらしい。  僕はまだそのチートを使っていないので、試しにやってみてもいいかなと思う。  だから僕はクロウに、 「えっと、“魔導式バズーカ”だっけ?」  アプリに触れて起動し、現れた白い画面に“魔道具チート検索”というボックスが現れていたので、ネット検索する要領でそこに文字を打ち込む。  そして検索ボタンを触れると、その今調べた“魔導式バズーカ”の写真のようなものと、必要な道具が画面に現れる。  と、僕のスマホを覗き込んだクロウが、 「そうそう、それだ。……何であちらの世界の機械にこの世界の道具が映っているんだ?」 「わ、わからないよ。でも材料は、“炎の魔力石”と“金色の土”、そして“青色のタール”みたい。その材料はあるのかな」 「……持っているか? リゼル」
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