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★“魔導式バズーカ”
魔法を込めた弾薬を詰めて放出するタイプ、初心者でも引き金を引くだけで魔物を倒せます。しかも、弾を込めれば何発でも使えます。使い捨てでないのがこの魔導式バズーカ!
その説明を見ながら僕はある事に気付いた。
弾薬は何処から補充するのかと。
ちらりと見れば、リゼルが嬉しそうにその“魔導式バズーカ”を持って頬をスリスリしている。
とりあえずそちらの方は要求されていないし作らなくていいかな、と僕は思いながらもそこで、別のことに気づいた。
「そういえば僕も武器とか持っていたほうがいいのかな?」
「今ここで作りたいのか? 何か欲しい武器でもあるのか?」
クロウに聞かれて、武器と言っても何があるかといえば、大まかに剣やら槍やら弓やら斧やらくらいしか思いつかない。
どうしよう、どれがいいんだろうと僕が思っているとクロウが、
「実際に武器屋で手にとって見た方が良いんじゃないのか? 武器の中で何か使った事があるものってあるか?」
「刃物は……料理を使う時に包丁を使うくらいかな?」
「……」
「な、何で沈黙するんだ」
「……イズミ用の武器を武器屋で見繕ってやる。素人でも使えるようなものをな。もし何かあっても自分の身が守れるように」
「本当! ありがとう!」
そんな僕を何故かクロウはじっと見ており、僕は首を傾げる。
ふいっとクロウは顔を背けてプルプルしていたが、
「しばらく俺の後ろにいろ。とりあえずは街まで守ってやる」
「わーい」
こうして僕はクロウに守られながら街に向かったのだった。
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