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幽霊のミリアが返事をしたかと思うと箱の中の石が浮かび上がり、そしてその中からガラス瓶に入った白い塊が見える。
これがミリアが探していたものなんだろうか? そう思った僕だけれど、その推測はすぐにクロウによって否定された。
「これは“石チーズ”だな」
「“石チーズ”?」
「“灰色まだら石”……ここにある石だ。この石を周りにいると、果実の香りのする美味しいチーズが出来る。ただ、一つのチーズを作るのに少量で、とても時間がかかってしまう。そして貴重品なので盗まれやすい」
「だから認識できない魔法がかかっていたんだ。でもそうなってくると、ミリアの探しものじゃないね」
『あの~、もういいですか?』
「あ、ありがとうございます。確認できました」
そう僕がお礼を言うと、箱の中に石と瓶が戻っていく。
とりあえずその箱に蓋をして、僕達は次の箱に手を出したのだった。
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