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『うーん、無いわね』
「そういえば、ミリアが大事にしていたものって何なのかな?」
『……実はよく覚えていないの』
てへっ、と誤魔化すように笑うミリアにそれでどうしろと僕は思った。
そんな僕の表情から察したらしいミリアが、
『あ、でも見れば思い出すと思う。ぼんやりとした記憶はあるし』
「……せめてどういったものかくらいのヒントは欲しいよ。というか、リゼル達も分からないから、適当にそれっぽい物を見つけてくるのかな」
それ以外に思いつかず僕はうーむと小さく唸る。
と、そんな僕にミリアが、
『ペンダント』
「?」
『ペンダントだったはず。それが探している大事な物で、でも……』
「でも?」
そこでミリアがちらりとクロウの方を見て、
『何となく、クロウさんに見せない方が良い気がするの』
「そうなんだ」
どうしてだろうと僕が思っているとそこでクロウが渋い顔になり、
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