本当は覚えているんじゃないのか

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 クロウにの体温が温かい気がして気持ちが良い。  これって何だろう、懐かしい気がするなと僕は思う。  なのに何処かに向かって行って立ち止り、僕を下す。    ふかふかな感触。  ここはベッドみたいだと僕は思って、きっとそうなのだろうと思う。  だってクロウは、 「“優しい”ものね、クロウは」 「……たまに本当は覚えているんじゃないかって期待する事があるな」 「何が? にゃあぁ」  そこで頭を撫ぜられる。  それが気持ち良くて僕はしばらくにゃあにゃあ言っていた。  クロウに甘やかされるのは何時も気持ちが良いと思う。  そこでクロウが何かを取り出して僕の頭につける。 「ふむ、確かにこれで“猫”だな」 「にゃ~ん、うにゃ? 外してやる」 「だめだ。つけていたら今日は抱きしめて寝てやるぞ」 「分かった~」
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