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僕がある種の希望を持って聞いてみるとクロウが、
「そんなに歩きたくないのか? まあ、俺達が先ほど出た街と次の街の間は今、馬車協会がストライキを起こして後何日かは走らないらしいんだよな」
「ストライキ……異世界なのに、そんなものが……」
「それに賃上げ交渉が上手くいっていないから更に時間がかかりそうなんだ。というわけでお前が召喚されるからわざわざ歩いてここまで来たわけだ」
それを聞きながらそういえばと僕は思って、
「クロウ達の前に、クロウのお父さんが僕を飛ばしてくれたんじゃないの?」
「移動する目標物の直ぐ側に召喚したら、怪我で済んだら良い事になるからな」
「? 怪我? ぶつかるの?」
「召喚にはタイムラグがあるから、下手をすると俺の腕がイズミの腕の中を貫通していた、ということに」
「がくがくぶるぶる」
「そんな召喚誤差をなくすために、そして魔力が周囲にたまっている所の方が召喚にブレが起きにくいからあんな場所になっているんだ。人間の街は特に魔力を使うから魔力の値が低いことが多いから、自然とこんな人通りのない場所になる」
「そ、そうなんだ……」
実は結構怖い状態だったんだと僕は気づく。
もう少し色々と詳しくあの神様に聞いておかないとなと僕は思った。
そこで先程の話に戻り、
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